生徒に内緒で黒板ジャック

朝、いつものように学校に行くと黒板いっぱいにチョークで絵が描かれていた。そんな
事件」があちこちで起こっているそうです。仕掛けたのは武蔵野美術大学の学生たち。半日近くかけて描いた絵は始業開始前に消されてしまうので、時間限定のアートですが、作品は消えても美術の楽しさは子どもたちの心に刻まれています。
2011年に始まったこの「黒板ジャック」。これまで12の学校で120を超える黒板に描かれてきました。ムサビ生が外部講師として小中学校や高校を訪ねる「旅するムサビ」の一環として、学生が来たことをインパクトのある方法で知らせて企画を盛り上げようと始まったそうです。今回は「卒業」をテーマに東京家政大の学生も参加して前日に制作したとのこと。2人1組で1つの黒板を担当し、チョークの先を削ったり、ティッシュや刷毛でぼかしたり。黒板から離れて何度も構図を確認する学生もいれば、歌いながら絵を描く学生もいたそうです。黒板ジャックは大学の授業ではないため、単位も出なければアルバイト代ももらえません。それでも学生たりは児童生徒たちに美術の楽しさを知ってもらいたい、チョークでどこまで出来るか挑戦したい、そんな気持ちで参加しているのです。ムサビの2年生で油絵を専攻している鈴木奈緒さんは高校時代に黒板ジャックを体験し、その感動もあってムサビに入学し、昨年末には「母校で黒板ジャックを」という希望を実現させたそうです。黒板ジャックを主催しているムサビの三澤一実教授は、「美術は体験しないと伝わりません。黒板ジャックを通じて、美術が日常と一体化して生活の中に息づいていることを感じてもらえれば」と話しているそうです。日常の中に美術が現れることで感動し、心を動かされるというのは素敵なサプライズですね。